2024.10.14 葬儀
お寺にお墓がをお持ちの方々は、まずお寺のご住職の了承を得てからの実行を
お勧めいたします。ご先祖のお墓を永代にわたり管理し、供養しているお寺は皆様に
とって菩提寺となります。最近、菩提寺をお持ちの方が菩提寺のご住職に何の
断りも無しに最近流行っているお別れ会形式のお式を行なったり、お葬式をせずに
火葬だけで済ませてしまった場合、お寺から納骨を断られたり、大変叱責される、
といったトラブルが増えています。我々葬儀社の担当者が菩提寺へご連絡をし
了承を得るようにアドバイスを差し上げても、「なぜそんなにお寺に気を使わなければ
いけないのか。お墓は買ったけれども関係ないだろう」と考えている方がいます。
お寺は檀家(お墓を購入した家のこと)に対してお墓の永代使用の権利を譲渡し、
管理と供養を義務とします。
皆さんはそのお寺の檀信徒(檀家)として、お寺を経済的に支えていく義務があります。
これはどちらかの権利が強いとか弱いというものではなく、信徒は修行を積まれた
僧侶のご回向(えこう)にあやかり、亡き先祖の供養を祈願し、そのご回向のお礼として
僧侶へお布施をします。
このような関係のお寺を菩提寺とよびますが、日本人の多くは仏教徒としてどこかの
お寺の檀家となっている場合が多く、そのためにお葬式を仏式で行い、各家庭には
仏壇があります。
トラブルをさけるためにも、先祖から受け継いだお墓をお持ちの場合、またはこれから
お墓の購入を検討なさっている場合には、この菩提寺との関係をよく理解する必要が
あるでしょう。
昨今、日本での檀家制度のはじまりや葬儀式に偏りすぎている仏教の宗教活動に
対していろいろな批判を耳にする場合もあり、このような批判には僧侶側にも改善
するべき状況がある部分も事実かもしれません。
法外な布施を要求し、宗教者としての活動をおろそかにしている僧侶も存在しないと
は言い切れません。悪徳葬儀社が存在するのと同じように・・・です。このようなことが
宗教心の薄れてきた世代には、さらにお寺との縁を遠ざけるの一因にもなっている
のかもしれません。
葬儀社が余計なことを・・・かもしれませんが、お身内の悲しみをきっかけに、できれば
今一度、「自分達がなぜ仏式でお葬式をするのか」「なぜお経をあげてもらうと
ホッと感じるのか」「先祖を敬うという事はどういうことなのか」
こういった事を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。そして疑問に思う事を素直に
お寺様にお伝えしてみてはいかがでしょう。きっと、ご住職様からもいろいろなお話が
伺えるはずです。いろいろな事をご相談なさって、その上で快く皆さんが希望なさる
ご葬儀が行えるのではないかと思います。
結果的に、本当にこういった宗教儀式を意味のないものとの判断されるのであれば、
その事は誰からも非難される事ではありません。私達には信仰を選べる自由が
あります。壇信徒としての道を変更なさるならば、現在境内にあるお墓を改葬し、
宗教宗派問わずの霊園墓地などをご検討されることをお勧めいたします。
どちらにせよ、お寺との付き合いは面倒だから、わからないから、と言う理由で
後回しにせず、まずは疑問や納得のいかないことをストレートにご相談してみてください。
あらたな発見があり、きっといい解決方法が見つかる筈です。